ご挨拶

 

「栄養」に対する認識や知識は,日常の生活においても,また,疾患治療の際にも,最重要で身近なものであることは言うまでもありません.

 しかしながら,時に疾病の治療に関しては,従来は治療に重きを置きすぎる場面や考えが主流で,栄養管理は後手に廻される場面も少なからずありました.

 この「栄養管理」につき,日本栄養・食糧学会,日本臨床栄養学会,日本栄養学会,日本静脈経腸栄養学会などがそれぞれ活動を続けてきており,近年は特に臨床に則した早期からの積極的な栄養管理を目的とし,医師,薬剤師,看護師,栄養士,言語療法士などが一体となった「臨床チーム栄養学」の重要性が益々叫ばれてきております.

 これらの活動の中でも,特に臨床に則した日本病態栄養学会は,栄養学を治療の一部門ととらえ,年次学術総会22回を数え,会員総数が9000人を超え,2019年度は,全国からの参加者数5400名と,活発な活動が展開されてきております.

 前述の通り,病態を考慮した栄養学の理論を駆使した栄養管理はきわめて重要ですが,残念ながら北海道ではその認識と活動が今ひとつ活性に欠ける状態が続いています.

 過去にこの活動を促進しようと2011-2013年まで病態栄養研究会が開催されたことがありましたが,残念ながら参加者の継続的な活動と意識改革には至りませんでした.

 北海道では市町村経営病院数は90を超え,病院総数 575,診療所 3404と約4000もの医療施設があり,NST参画や栄養管理の面で全国をリードすべき立場であると考えられるにもかわらず,その会員間の情報交換や互いの切磋琢磨が必ずしも積極的に行われているとは言い難い状況です.

 

 この現状を憂い,北海道での会員,関係者の知識の向上,会員間の交流などを目指し,有志が集い,北海道地方会を開催(再開)することとなりました.

 皆様の熱い臨床研究の発表の場に育て上げていけますよう,どうかご賛同,ご協力お願い申し上げます.

 

黒川泰任